不動産取引Q&A #7 不動産売却する際の媒介契約の種類について教えてほしい

本日いただいたお便りを紹介します。これも不動産取引において基本的な知識なので売却時などは押さえておきたいです。

質問:不動産売却する際の媒介契約の種類について教えてほしい

ペンネーム:とにーさん(50代東京都)

所有している不動産の売却を不動産屋に依頼しようと思っています。その際に、不動産屋と媒介契約を結ぶことになるという話を聞きましたが、不動産売却する際の媒介契約の種類がいくつかあるようですが、概要について教えてほしいです。

ご回答:3種類の媒介契約があり、実際の取引では、専任媒介契約が比較的多いです。

まず、以下の三種類があります。それぞれの概要です。

契約種類名概要契約期間
専任専属媒介契約契約期間中は、契約した不動産屋さんに買い手探しを任せないといけない契約。例外なし。3ヶ月
専任媒介契約契約期間中は、契約した不動産屋さんに買い手探しをほぼ任せないといけない契約
例外は、買い手が自分で売り手を自分で見つけた場合(自己発見取引)は買い主は契約した不動産屋を介さずに取引可能。
3ヶ月
一般媒介契約契約した不動産屋さんが買い手探しをしてくれる契約。
他の不動産屋さんに並行して依頼もOK。
規定なし
媒介契約の種類

媒介契約種別とその他の異なる条件

媒介契約の種類によって対応が以下のように変わります。

契約種類名営業進捗報告義務レインズ(不動産屋しか見れないポータルサイト)への登録
専任専属媒介契約週1以上で売主に進捗報告媒介契約締結から5営業日以内
専任媒介契約週2以上で売主に進捗報告媒介契約締結から7営業日以内
一般媒介契約規定なし規定なし
媒介契約ごとのその他の義務

どの契約がいいのか?

とりあえず、不動産屋さんに行くと専任媒介契約を勧められることが多いですが、これは営業成果をより確実に出せる契約形態だからというのがあります。一般媒介だと、他の不動産業者との競争になり、報酬が0になる可能性があるので、売主さんのために頑張りづらくなってしまうという側面があるからです。競争して報酬の期待値が低いと判断する不動産屋さんは一般媒介の案件なら最初からNOという会社も少なくないでしょう。

なので、売主視点から考えると、一般媒介でたくさんの不動産屋さんに競争含みで動いてもらうと売主の自分にとって得なのか、専任媒介で信頼できる不動産屋さんに営業をがんばるインセンティブを付与して動いてもらうと売主の自分にとって得なのかを考えて契約形態を決めるのがよいでしょう。

参考文献

公益財団法人不動産流通推進センター「専任媒介契約期間中に、売主が自ら発見した顧客との取引を他業者が媒介することができるか」
https://www.retpc.jp/archives/24110/

(※本記事は、関連する制度についての一般知識の解説を行ったもので、個別のケースに関して一切保証するものではありません。)

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