不動産取引Q&A #13 容積率の計算を教えてほしい

本日いただいたお便りを紹介します。容積率は、戸建ての建設などにおいては最重要指標のひとつになりますので、ぜひ押さえておきたいですね。

質問:容積率の計算はどうなっている?

ペンネーム:とんぼさん(30代東京都)

戸建て検討中です。容積率の概要と計算例を教えて下さい。

ご回答:敷地面積においてどのくらいまで建築物全体の延床面積にできるかが、容積率といいます。土地の前面道路の広さによっても変わる場合があるので注意です。

容積率によって、買った土地の何%が建物全体の床面積(=延床面積)にできるのかが規定されています。まず、以下例外処理のない代表的なパターン(指定容積率)を示してみたので確認してみてください。(※以下の図表の数値は概算です。わかりやすさ優先として「約」表記を省略していますので、ご留意の上ご確認ください。)

容積率100%の場合

容積率150%の場合

容積率200%の場合

容積率400%の場合

用途地域によって容積率がかわります。

容積率(指定容積率)は用途地域によって変わります。以下で確認できます。

用途地域容積率(土地によって異なります。自治体サイトなどで要確認)
第一種低層住居専用地域(一低)50%,60%,80%,100%,150%,200%
第二種低層住居専用地域(二低)50%,60%,80%,100%,150%,200%
田園住居地域50%,60%,80%,100%,150%,200%
第一種中高層住居専用地域(一中高)100%,150%,200%,300%,400%,500%
第,二種中高層住居専用地域
(二中高)
100%,150%,200%,300%,400%,500%
第一種住居地域
(一住)
100%,150%,200%,300%,400%,500%
第二種住居地域
(二住)
100%,150%,200%,300%,400%,500%
準住居地域100%,150%,200%,300%,400%,500%
近隣商業地域100%,150%,200%,300%,400%,500%
商業地域200%,300%,400%,500%,600%,700%,800%,
900%,1000%,1100%,1200%,1300%
準工業地域100%,150%,200%,300%,400%,500%
工業地域100%,150%,200%,300%,400%
工業専用地域100%,150%,200%,300%,400%
用途地域の定めのない地域50%,80%,100%,200%,300%,400%

前面道路の広さによって容積率が変わる例外的処理がある場合に注意

前面道路が12m未満の場合の容積率が指定容積率より優先される場合があるので注意が必要です。この場合の容積率は前面道路幅員による容積率といいます。


(公式)指定係数 ✕ 前面道路の幅員 = 前面道路幅員による容積率
この前面道路幅員による容積率と指定容積率の厳しい方が採用される容積率

指定係数
住居系用途地域=0.4
その他の用途地域=0.6

計算例1

・指定容積率300%
・前面道路10m
・用途地域:第一種低層住居専用地域(指定係数:住居系用途地域=0.4)

10✕4/10=4(400%)
指定容積率300%
前面道路幅員による容積率400%

厳しい方の指定容積率300%が実際に適用される容積率。

容積率は300%

計算例2

・指定容積率400%
・前面道路8m
・用途地域:第一種低層住居専用地域(指定係数:住居系用途地域=0.4)

8✕4/10=3.2(320%)
指定容積率400%
前面道路幅員による容積率320%

厳しい方の前面道路幅員による容積率320%が実際に適用される容積率。

容積率は320%

計算例3

・指定容積率400%
・前面道路12m
・用途地域:第一種低層住居専用地域(指定係数:住居系用途地域=0.4)

前面道路12m以上だから前面道路幅員による容積率は適用なし。

指定容積率400%が実際に適用される容積率。

容積率は400%

なお建ぺい率は以下別記事にしています。

(※本記事は、関連する制度についての一般知識の解説を行ったもので、個別のケースに関しての課題解決について保証するものではありません。)

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