再建築不可の可能性も!不動産購入時の擁壁チェックと対策

この中古戸建の土地には大きめの擁壁があるなぁ…戸建は古いから取り壊して、新築を建てようかな。。。

ちょっと待って!気をつけないと再建築不可の物件かも!

擁壁のチェックに押さえるべきポイントとは

ー 不動産購入時に擁壁に関して気をつけるべきポイントは何ですか?

土地を購入し、中古住宅を一旦解体して、新築戸建てを建設したい場合に注意が必要です。理由は、例えば、宅地造成等規制法の許可と工事完了検査の記録がないと擁壁上の建物再建築不可の場合があるからです。 また別の例では、2段盛土(2段に渡って土を盛って固めてある地盤)や2段擁壁(擁壁の上にさらに擁壁を作っている状態)は共に禁止で、これも再建築不可ですので、該当の土地を購入する際は、注意が必要です。

ー 擁壁に関する法規制や再建築不可の事例を教えていただきありがとうございます。土地の選定時には、そういった規制や状況を確認することが重要だと理解しました。擁壁の安全性能を確認する方法は何ですか?

ひとまずは、行政の出している資料などに沿って、各個人が行うことが多いです。日本では、擁壁の安全性能の確認ができる外部機関が未成熟のため、専門機関に気軽に依頼することが難しい状況です。

ー なるほど、そういう状況ですね。では、個人が擁壁の安全性を確認する際、どのような点に注意すべきでしょうか?

国土交通省が出している「我が家の擁壁チェックシート」は便利です。 https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001466510.pdf

ここから一部チェックしやすい点をあげてみましょう。4ページなどがわかりやすいです。

チェックポイント例(1)水抜き穴があるかどうか:これは雨が降った際に擁壁で固めている土壌に入った水を排水できるかどうかが確認できます。水を排水できない擁壁では、雨を含んだ土壌が擁壁を押し出して地盤が軟弱化する可能性が高まってしまいます。

チェックポイント例(2)ひび割れがないかどうか:目視で擁壁にひび割れがあるか見るのも重要です。ひび割れはクラックとも言い、これがあると擁壁の強度が弱まっている可能性が高まりますので要注意です。

このように逐一確認を行っていくことによって擁壁の安全性能が自分自身である程度はチェックできます。

ー 「我が家の擁壁チェックシート」の情報やチェックポイントの例を教えていただきありがとうございます。水抜き穴の有無やひび割れの確認など、擁壁の安全性を確認するために自分でできるポイントがあることを知ることができました。これらのチェックを行うことで、擁壁の問題を見逃さずに済みますね。では、擁壁の安全性に問題がある場合、どのような対処法があるでしょうか?

問題がある場合は、応急処置をするのか、根本的解決のための工事が必要になるのか確認が必要になります。この場合はまずは最寄りの自治体に相談に行ってみましょう。さらに自分が必要と判断した場合、建築士などの専門家に相談し、個別のケースに適した改善策を検討することになります。

ー なるほど、まず自分で性能評価を行政資料などを見てできる限り行い、問題がありそうな場合は建築士に相談するというのが無難そうですね。ありがとうございました!

参考資料

国土交通省 我が家の擁壁チェックシート案
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001466510.pdf

東京都多摩建築指導事務所 既存擁壁の安全確保について お宅の擁壁は大丈夫ですか?
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/tamakenchikushidou/pdf/140929_anzen.pdf

(353文字)

(※本記事は、関連する制度についての一般知識の解説を行ったもので、個別のケースに関して一切保証するものではありません。)

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